いかをおろし適当な大きさに切ってから、ワタと一緒に皿やざるに並べ塩をふって1、2時間放置する。すると余分な水分が抜けて身がしまる。また、旨味やらが凝縮されるので、まったりとした舌触りになる。その後、身にワタをまぶしビンに詰め塩加減を調整し完成。
しかしここで問題が。もって生まれた自分の性格上、出来たその日から食べたくなってしまい、旨くなる一週間を迎えるころには知らないうちにビンの底が見えるという怪奇現象に見舞われることがしばしばあった。
そこで何かを加え、初めからこなれた味にしようと考える。こなれる=発酵?=酒?みそ?醤油?と誰でも思いつく発想を試した末、醤油が一番であると気付いた。試さなくても醤油が一番とわかりそうなものだが、あえて研究という楽しみを味わってみたのだよ。
しかし醤油といっても市販のやつから、手作りのうまい醤油までいろいろある。せっかくなのでうまい醤油で作りたい。どんな醤油が塩辛に合うのだろうか。
長い前置きの末、我が家の食卓がお世話になっている前橋の職人醤油の高橋さんに相談することに至る。かつてない相談にも関わらず、親切に塩辛に合いそうな醤油を二つ選んでいただき、ようやく先日試してみた。一つはさっぱり系できりっとした味の「栄 醤油」。もう一つはこってりとした「尾張のたまり」という醤油。
いかの塩辛にどちらも少量混ぜ味見をする。。。。。。うまい!どちらが?というとどちらもうまい!
さすが高橋さんが扱っている手作り醤油、どちらもうまく判断に困る。しかし味には明解な差があり、「栄 醤油」の方はいか独自の臭みを消し、より洗練された塩辛にしてくれる。また「尾張のたまり」の方は塩辛のワタのまったり感を後押ししてくれより塩辛にコクが出たように感じた。
今回は調理時に空腹なのもあり、コクを優先し「尾張のたまり」で残りの塩辛の味付けをすることとした。
ご協力していただいた職人醤油の高橋さん、ありがとうございました。