2017/02/25

恩師を訪ねる

千葉県にはもうひとつ大きな目的があった。
以前勤務していた事務所の所長を訪ねた。
退社以来10年振り。お気を使わせてはと思い年賀状の住所をたよりに突然の訪問をした。今考えれば失礼であったと思う。
留守であったら諦めようと思っていたが、幸い奥様と共にご在宅で快く迎えてくれた。
13年前、初めて実務としての建築に触れた。この方達がいなかったら私は建築を職業にしていなかったし出来ていなかったと思う。所長はもう75歳になっていた。しかしそうは見えなく奥様も共にお元気だった。当時の感謝を伝えようと訪問したのだが、懐かしさのあまり上手く伝えられなかったように思う。
重森三玲の孫弟子である所長は建築の一部として庭に関心を持ち、古建築や仏像に造形が深かい。空時間には色々と教えていただいた。この日も当時の口調で色々とお話いただいたが、久しぶりの講義に胸がいっぱいになり残念ながらあまり覚えていない。

短い時間の訪問だったが、私の訪問を本当に喜んでくれた。なかなか期待に応えられる仕事も勉強もできなかった当時を思うとなかなか足が重くなっていたが、今回思い切って行って良かった。同時に顔も見せずに10年も過ごしてしまった自分を情けなく思った。
帰りがけに所長がコレクションしていた絵画の一枚と長年取り組んでいる版画を二枚、もたせてくれた。一生の宝ものにしていきたい。